自閉症の子供の特徴と接し方

はじめに

自閉症は自分なりのこだわりが強かったり、相手とのコミュニケーションが苦手なところが特徴です。

今回の記事では自閉症とは何なのか、どのように接したらいいのかを説明していきます。

自閉症とは

自閉症の正式名称は自閉スペクトラム症と言い、略してASDと表記されています。

人と関わるのが苦手なので、コミュニケーションの取り合いの場面などで困難さに直面することがあり、また、その場の空気を読むことが苦手で、相手の気持ちを読み取るのが難しい、という症状が見られます。
他にも、自分なりのやり方や物の配置にこだわりがあり、興味の偏りがあります。

こうした特性は早くて1歳半〜2歳頃に気づき始めます。
上記のような特性が半年以上継続したり、社会活動に影響が出ていたり、いろいろな場面で出ているといったことが、主な診断基準になります。

しつけが原因ではない

自閉症は、生まれつきの脳の機能について、不具合があるために起こる障害なので、しつけや生活環境が原因ではありません。
よって本人の性格や人格が関係しているということはなく、その後の療育や教育によって、一人ひとりの発達を促進させていく流れになります。
一人ひとり苦手な分野やこだわることが違うので、個人に合わせた的確なサポートを受ける必要があります。

接し方

得意分野を伸ばしてあげる

自閉症の子供は、こだわりが強い分、好きな分野のことになると、どこまでも熱中して入り込むことがあります。
学校の学習にも手をつけてほしいと焦る気持ちもあるかと思いますが、そうした子供の好きなことはその子の自己肯定感につながるので、大事にしてあげましょう。
また、ゲームなどの時間を制限する場合には、より具体的に理由を伝え、本人が納得した状態でルールを決めることで「提案を受けて受け入れる」という流れが習慣になります。なので、社会に出たときなども役立つスキルになります。

細かいことでも具体的に伝え、上手に出来たら褒める

空気を読むのが苦手な子供の場合は、ニュアンスで物事を伝えるのではなく、言葉で伝えるのが大事です。
上手に出来たら、言葉にして褒めてあげましょう。
言葉で具体的に伝えるというのは注意をするときにも同じで、「これはダメ」と否定するだけだと、「ではどうしたらよかったのか」が上手く伝わりません。
なので、物を乱暴に扱っていたら、「乱暴にしてはダメ」というのではなく、「優しく触ってあげようね」と伝えるのがポイントです。
指示を出す時も、具体的な言葉で端的に伝えるのが大事です。
例えば、「ランドセルを置いてから手を洗って、すぐに勉強を済ませようね」と言われても、1度にいくつもの要件が重なって、理解に苦しむことがあるので、「ランドセルを置く」の指示が完了したら「手を洗う」指示を出し、それも終えたら「勉強をしようか」と一つ一つの処理が終わるのを待ってから、処理が溜まらないように声をかけるのが重要です。

いつもと違うスケジュールは前もって伝える

自閉症の子供は、これから先の未来を想像するのが苦手というケースがあります。なので、普段と違う用事がある時は、前もって外出する時間や行き先を伝えるのが大事です。
こうすることによって変更したスケジュールにもストレスを感じにくくなります。

感覚が敏感

自閉症の子供は、感覚が敏感で、大きな音が苦手だったり、極度の偏食が見られたりすることがあります。味覚が敏感なために、その味がどうしても受け入れられないということもあり得るため、ただの好き嫌いではない場合があります。
この敏感さは味覚だけではなく、騒音などに出ることもあります。
逆に、感覚が鈍感になるケースもあるので、痛感などに鈍感な場合には大きな病気やケガに気が付かないという心配があるので、医師に相談することが大事です。

人に助けを求めることを覚えさせる

自閉症の子供のなかには、自分が悩んでいたり困っていたりという状態を理解できずに、パニックになったり泣いたりという行動を出すことで、周囲の大人がはじめて困っていることに気が付くというケースがあります。
人に声をかけてよいものか悩んでしまうという子供もいるので、はじめは周りの大人たちが積極的に助けてあげることで、「人に助けを求めると、よい結果に導かれる」という経験を積むことが出来ます。

まとめ

自閉症は、生まれつきの脳の機能の問題なので、親のしつけや生活環境が原因ではありません。なので、育て方を間違えたと抱え込まずに、子供の特性をポジティブに捉えて、長所を伸ばしていけるように協力してあげましょう。
一人ひとりの個性や特性として捉え、強みや得意を活かせるように支援をすることが大切です。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です